日本とフィリピンの不動産市場では、取引されている物件の種類に大きな違いが見られます。特に日本では見られない「プレビルド物件」は、フィリピンだと非常に多く取り扱われています。フィリピン不動産で人気のプレビルドとは、一体どのような物件なのでしょうか？そこで今回は、フィリピン不動産に興味がある方向けに、プレビルドの特徴やメリットについてご紹介します。
プレビルドとは？
プレビルド（prebuild）とは、英語で「前もって建てる」という意味を持ち、まだ建っていない不動産を購入する方法を指します。この方法はフィリピンを含む東南アジアの不動産市場でよく利用されている方法で、日本だとプレビルドによる不動産販売は禁止されています。
プレビルドで得られるメリット
プレビルドには一般的な不動産と異なる部分もあるため、プレビルドならではのメリットも得られます。主にどのようなメリットがあるのか、1つずつ解説していきましょう。
通常より安く買える可能性がある
最初に挙げられるメリットは、一般的な不動産に比べて安く買える可能性があるという点です。建物は資金を集めながら建設されていきますが、徐々に売り出し価格も高くなっていきます。そのため、出来上がっている物件を購入しようとすると、それなりの価格が必要です。プレビルドであればまだ建物の施工が始まる前、もしくは始まってすぐから携われる分、安く購入できます。一例ではあるものの、計画時と竣工後の販売価格が3割近く異なるケースも少なくありません。
分割購入が可能
一般的に日本で新築の不動産を購入しようとすると、最初に頭金だけを支払い、残りの金額は物件が完成してからまとめて支払わなくてはいけません。一方、プレビルドの場合は建てる前から購入できるため、分割支払いも可能となっています。今は投資資金をそれほど多く持っていないという人でも、プレビルドなら不動産を購入できるチャンスも掴みやすいのです。もちろん、特に分割での支払いが必要でない人は一括払いで物件を手に入れることもできます。ただし、支払い方法に関しては各販売業者によって異なるため、事前に分割購入が可能かどうかチェックしておきましょう。
販売価格が上がり、キャピタルゲインを狙える
プレビルド物件の場合、不動産の販売数や購入数が増えていくにつれてディベロッパーが物件の販売価格も上げていきます。例えば1000室ある物件を作る予定のディベロッパーがいたとすると、最初の100室は1,000万円で価格を設定しておき、次の100～200室で1,050万円に引き上げるといった形を取っています。先ほども解説したように、最終的には最初に設定されていた価格よりも3割近く値上がりするため、最初に購入しておき物件の完成直前、もしくは完成後に売却すれば3割分の差益が自分の利益となるのです。こうしたプレビルドを用いてキャピタルゲインを狙った投資方法を、「プレビルド投資」と呼びます。また、プレビルド物件を完成前後で売却しなくても、国が経済成長を続けていき、人口も増加して不動産のニーズが上がった時に売却すれば、多額のキャピタルゲインを狙える可能性があります。特にフィリピンは人口も増加しているため、さらなる成長を見込んで売却時期を待つのも1つの方法です。
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フィリピンの不動産価格は上昇している
プレビルドでキャピタルゲインを狙うなら、不動産価格の推移は気になるところです。フィリピン国内の不動産市況を見ると、2019年には若干低迷したものの、2020年現在は急速な成長を遂げています。2020年は新型コロナウイルスにより世界各国で大きな影響を受けてしまいました。フィリピンでも2020年の経済成長率が鈍化してしまい、2021年以降もいつ元の成長率に戻るのか分かっていません。しかし、住宅市場は未だ新型コロナ禍であるにも関わらず、急速な立ち直りを見せており、不動産価格は大きく上昇しているのです。不動産価格が上昇している主な理由は、高利回りを期待できるとして海外投資家がフィリピンの住宅市場に注目していること、2009年に施行された不動産投資信託（REIT）法の改正版が2020年に施行されたことの2点が挙げられます。特に後者のREIT法改正により、これまでかなり厳しかった税務上の規則と最低公開株式要件が緩和されたことで、フィリピン国内ではREITがより活性化していくと予想できます。そのため、フィリピンの不動産価格は新型コロナ禍でも上昇しているのです。
まとめ
今回は、フィリピンの不動産市場で多く見られる「プレビルド」の特徴とメリットについてご紹介してきました。プレビルドは建てる前に物件を購入できる仕組みであり、早くから購入しておけばその分価格も安くなります。物件価格は完成するまでに段々と値上がりしていくため、売却すればキャピタルゲインも狙えるでしょう。ぜひフィリピンの不動産に興味がある方は、プレビルドにも注目してみてください。
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