フィリピンで不動産投資を考えている、またはすでに始めている場合は、フィリピン経済状況を把握しておく必要があります。新型コロナの流行をきっかけに、世界全体で経済に影響が出ている状況です。まだまだフィリピン経は成長を期待されていましたが、アフターコロナではどう変化しているのでしょうか?不動産投資にも影響があるフィリピン経済の現状状況についてご紹介します。
コロナ前のフィリピン経済
日本よりも物価が安く安定しているフィリピンは、経済成長が見込める国の1つに挙げられています。まずはコロナ前のフィリピン経済を確認していきましょう。
フィリピン経済コロナ前①経済成長率6.1%を予測していた
まだコロナが世界規模で流行する前の2020年1月8日に、世界銀行はフィリピン経済の成長率の予測を発表しています。2019年は5.8%とし、2020年は6.1%と予測していました。そして、2021年と2022年は6.2%にフィリピン経済の成長率はなると発表しています。一方、アジア開発銀行は2019年のフィリピン経済の成長率を2018年12月の6.7%から下方修正し、6.4%としていました。下方修正に至った理由は世界経済の不透明化や成長の鈍化、さらにフィリピン国内の農業生産が不調だった影響などが原因とされています。ただし、2020年も6.4%と予測しており、世界銀行同様に6%台の水準が続くと期待されています。ドゥテルテ政権は2016年の発足以降、フィリピン経済の成長率を6~8%の目標で設定しており、2017年は6.7%、2018年は6.2%に到達しました。しかし、2019年1~9月の第3四半期までは5.7%と、目標を下回る結果でした。つまり、6.0%以上のフィリピン経済の成長率を達成するためには、第4四半期までに6.7%を上回る必要があります。
フィリピン経済コロナ前②新たな成長計画と外資規制緩和について
ドゥテルテ大統領はインフラ向けの出資割合の拡大を狙い、インフラ政策が外貨規制の緩和、外資誘致を促進させるために治安や汚職問題にも積極的に取り組んでいます。さらに、2020年までの成長計画に「フィリピン開発計画」を決定しています。フィリピン経済が6%以上のGDP平均成長率を叩き出している理由は、平均年齢が若く、人口が増えているからです。また、1000万人以上の海外労働者が出稼ぎに来ているとされています。GDPの1割は海外労働者の送金で支えられていました。しかし、海外労働者による送金は2015年がピークで、それ以降は減少傾向にあります。さらに大学卒業のフィリピン人はアメリカや中東などに出稼ぎに出る傾向が見られます。しかし、国内では大規模なインフラ投資を行っているため、労働力の不足が課題となっていました。そこで政府は労働力を呼び戻すために、出稼ぎ労働者のスキルや能力に応じた待遇や給料の提示し、労働力の問題解決を狙っています。
そして、フィリピン開発計画においては、インフラ投資に力を入れています。以前からフィリピンのインフラ基盤が弱いという指摘がありました。フィリピン国内での輸送機関は陸路で、高速道路の未整備や都市部での交通渋滞、鉄道が少ないといった課題がありましたが、インフラ投資を増やして2022年までに約8兆円の収支を目標に掲げています。さらに、外資出資比率の規制緩和により小売業界の進出が可能となりました。以前は払込資本金額250万米ドル以上の出資することで、外国資本100%で運用できました。緩和により最低払込資本金額が引き下げられ、20万米ドルで外国100%での進出が可能となったのです。このように出稼ぎ労働者の呼び戻し対策、陸路を中心にインフラが整備と外資規制緩和により外国からの直接投資を増やすことで、さらなる経済成長につながると期待されていました。
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コロナ禍の到来!フィリピン経済はどうなる?
フィリピン経済は21年連続で成長を続けていましが、新型コロナの流行により経済は変化しています。アフターコロナ時代では、フィリピン経済はどのように変化するのでしょうか?
フィリピン経済①コロナ禍の影響はフィリピンにも及んでいる
7月あたりから感染者が急増し、検査体制の確立後はインドネシアを抜いて東南アジアではトップの感染者数となりました。(再びインドネシアが感染者数・死亡数ともに東南アジアのトップとなりましたが。)感染者の増加に合わせて、GDPの速報値にも影響が反映されています。4~6月のGDPは-16.5%で、1981年以降では最低水準の数値となりました。政府も2020年度のGDP予測を-2~3%から-5%に下方修正しています。
フィリピン経済②今後の不動産市場はどうなる?
政府がGDP予測を下方修正していることから、今後の経済にも不安が残るでしょう。しかし、政財界ではこれ以上最悪な事態は向かわないという見方があります。7月以降、経済は少しずつですが動き始めました。フィリピン中央銀行は新型コロナの影響による経済縮小は2021年の第1四半期までと見込んでおり、緩やかに回復すると予想しています。それにより不動産市場も回復に向かうと予想されますが、特に期待できるのは工場不動産です。コロナの影響でフィリピンでもeコマースや倉庫、物流の需要が高まっています。インフラが弱い課題がありますが、政府が整備を計画しているので、そこへの期待に投資が増えれば国内のeコマース事業の発展は加速していくしょう。そうなると産業・物流部門、オフィス部門の不動産市場はリードして回復すると見込まれています。
フィリピン経済 | まとめ
新型コロナによりフィリピン経済にも影響を与えていますが、それも一時的なものと前向きに予想されています。緩やかに回復すると見込まれているので、不動産投資では不況だからと慌てず、今の状況と将来性をよく見て投資の判断をしていきましょう。
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