不動産投資というと保有する物件を人に貸して、家賃収入を得る形が一般的です。では、経済成長を続けるシンガポールで海外不動産投資を始める場合、賃貸経営をするメリットはあるのでしょうか?今回はシンガポールの賃貸経営や不動産投資事情についてご紹介していきます。
シンガポールで不動産投資をする魅力
シンガポールは投資家の間で注目されており、投資マネーが注ぎ込まれています。まずはシンガポールでの不動産投資における魅力をご紹介します。
富裕層や企業が集まるグローバルな近代都市国家
シンガポール政府は様々な優遇税制を施行し、さらにビジネスインフラの整備にも注力したことで、世界一とも称えられるほどのビジネス環境を整えてきました。その結果、世界各地の企業は拠点などを設置し、グローバルな近代都市国家へと目覚ましく発展していきました。さらに魅力的な税制や質の高い投資商品・サービスも提供されているので資産の保全や形成に適した環境が整っており、富裕層も多く集まっています。海外からの投資で成長したシンガポールはアジアでも特に豊かな国であり、さらなる成長が見込まれています。
駐在員にも住みやすい都市として人気
大企業の進出が盛んになったことで、シンガポールに駐在する人も増えました。海外での暮らしに不安が生じやすいですが、シンガポールは駐在員が住みやすい都市としてよく挙げられています。比較的に治安が良いので、安心して生活ができます。さらにグローバル社会で競争力を保てるように、エリート教育にも力が入れられているので、子どもをグローバル人材に育てたい人から移住先としてシンガポールは人気です。生活拠点としての魅力が豊富なので移住を考える人も多く、住宅需要は絶えないと言えます。
シンガポールのコンドミニアムは賃貸運営をするべき?
さらなる経済成長が見込め、住宅需要も絶えないシンガポールは不動産投資に最適な国と言えます。そうなると賃貸経営でも大きなメリットが得られると考えられますが、実際のところはどうなのでしょうか?
コンドミニアムの平均家賃
賃貸経営は家賃の設定がポイントとなります。シンガポールで購入したコンドミニアムを賃貸する場合、どれくらいの家賃が一般的なのか確認していきましょう。購入したエリアや部屋の広さで変わってきますが、安くて3,000SGD(約24万円)、一般的の多いのは5,000SGD(約38万円)前後です。利便性の高い都市部は8,000SGD程(約62万円)するコンドミニアムも存在します。
基本は売却がおすすめ
家賃だけ見ると、大きな家賃収入が得られると期待されます。しかし、シンガポールでの不動産投資は基本的に売却がおすすめです。賃貸経営では利回りの高さが重要となりますが、シンガポールは利回りが良くて3%、悪い時は2%を切るケースが多いです。日本の場合、東京では5%程の利回りに期待できる物件も多くあります。そう考えると、シンガポールでの賃貸経営はあまりメリットを感じません。しかし、不動産価格自体は上昇傾向にあるので、売却により大きな利益は期待できます。
賃貸経営ならホテルコンドやサービスアパートメントがおすすめ
不動産市場は変化しているので、購入にかかったコストを十分回収できるだけの利益を出すには売却のタイミングも重要となってきます。しかし、売却に出すまで放置するのはもったいないので、賃貸経営で少しでも利益を得たいという人もいるでしょう。そんな時はホテルコンドやサービスアパートメントの物件運用がおすすめです。
ホテルコンドの特徴
ホテルコンドは分譲型のホテルのことで、簡単に言えばホテルサービスを提供できるコンドミニアムのことを指します。利用者に1日単位で部屋を貸し出して、宿泊費などを収入源とします。宿泊料は前払いなので賃貸経営と違い滞納のリスクが低い点がメリットです。また、自分たちがシンガポールに訪れる際は保有する部屋をホテル替わりにできる点もメリットと言えます。住宅需要があるとしても、今後コンドミニアムの供給が増えると不動産価格が下がる可能性もあります。しかし、ホテルなら観光客や短期在住者が活用するので、住居用よりも需要が高いと考えられるのです。ホテルコンドの管理はホテルの運営会社が全て行うので、手間がかかりません。ただし、運営費用が高いケースが多いので、観光客などにメリットが多く、稼働率の高いホテルを選ぶ必要があります。
サービスアパートメントの特徴
サービスアパートメントは賃貸アパートの一種ですが、家具や家電付き、さらに定期的な清掃・リネン類の交換、フロントサービスなどホテル的なサービス要素があります。数週間以上の滞在で入居できるケースが多いので、留学生や短期在住者に好まれています。ホテルのような快適性がありながら、自宅と変わらない生活ができるので、サービスなしの賃貸よりも需要が高いです。シンガポールの中心部地だと賃料は2LDKの間取りでも月額70万円程の相場なので、十分なインカムゲインを得られます。プール付きなど設備が良いと1ヶ月の滞在で150万円以上の利益が出せるケースもあります。
シンガポールでの賃貸経営 | まとめ
シンガポールは投資先として魅力的な国であり、不動産投資をするメリットは大きいです。しかし、賃貸での利回りは日本と比べて低い水準となるため、基本は売却益で稼いでいきましょう。その一方で、観光や出張、短期留学生などに需要があるホテルコンドやサービスアパートメントは安定した賃貸経営を実現しやすいです。売却によるキャピタルゲインも狙えるので、シンガポールで賃貸経営をする際は検討してみてください。