世界には多くの宗教が存在しています。その中で東南アジアに住んでいる人たちに多く信仰されている宗教は何なのか、またそれぞれの宗教の特徴について解説していきますので、参考にしてみてください。
東南アジアには多くの宗教が存在する
東南アジアにはそれぞれ異なる多くの宗教が多く存在しています。日本でも馴染の仏教の他、キリスト教やヒンドゥー教、イスラム教といった聞いたことのあるものから、ホアハオやカオダイといったあまり耳馴染みのない宗教もあります。同じ東南アジアという地域にありながら、国によって信仰している宗教や宗教観は異なり、仏教であっても日本で多く信仰されている大乗仏教とは違う上座仏教が信仰されている国もあります。
東南アジア6ヵ国で主流な宗教とは?
フィリピン、シンガポール、タイ、マレーシア、カンボジア、ベトナムの東南アジア6ヵ国で主流の宗教について、詳しく紹介していきましょう。
フィリピン
フィリピンではおよそ9割以上をキリスト教徒が占めており、その中の8割以上がカトリックを信仰しています。ここまでキリスト教が多いのは東南アジアでも珍しいですが、これには長い間スペインの統治下にあったことが影響しています。しかし南部にあるミンダナオ島では、イスラム教徒が2割ほどいます。
シンガポール
華人など中華系移民が国民の約7割以上のシンガポールでは、仏教徒が約43%を占めています。次にキリスト教と無宗教がおよそ2割ずつ、そしてイスラム教が約14%、ヒンドゥー教が約5%と続きます。マレー系国民はイスラム教、インド系国民はヒンドゥー教といったように、民族によって信仰している宗教に違いがあるのが特徴です。
タイ
タイでは9割以上が仏教を信仰しており、残りはイスラム教を信仰している人がほとんどです。国内の至るところに仏教寺院があることからもわかるように、仏教が広く普及していますが、仏教の種類は日本とは異なる上座仏教です。仏教徒がほとんどのタイですが、マレーシアとの国境付近ではイスラム教徒が多いのが特徴です。
マレーシア
国の宗教がイスラム教であるマレーシアは国民のおよそ6割がイスラム教です。そして仏教が約2割、キリスト教が約9%、ヒンドゥー教がおよそ6%と続きます。マレー系や中華系など民族によって宗教観が異なる点はシンガポールと酷似しています。
カンボジア
国の宗教が仏教であるカンボジアでは国民の約9割が仏教徒を占めています。しかし、タイ同様日本とは異なる上座仏教を信仰しています。一時は仏教を否定していたこともありますが、現在は復興しています。
ベトナム
仏教がおよそ半数を占めているベトナムは、日本と同じ大乗仏教を主に信仰しています。キリスト教が約1割、続いてベトナム独自のカオダイやホンハオといった宗教がそれぞれ1~4%ほどいます。イスラム教はわずか0.1%ほどで、残りは無宗教と言われています。
代表的な宗教の特徴
続いては、それぞれの宗教はどのようにしてもたらされたのか、その特徴も併せて解説していきましょう。
仏教
日本をはじめタイやカンボジア、ベトナムで多く信仰されている仏教には上座仏教と大乗仏教の二種類あります。紀元前5世紀頃にインドで釈迦によって開かれた上座仏教は東南アジアで多く信仰されており、戒律が厳しいのが特徴です。日本で信仰されている大乗仏教は、上座仏教に比べて戒律が緩いと言われています。
ヒンドゥー教
イスラム教徒が多いインドネシアですが、バリ島ではヒンドゥー教徒がおよそ9割を占めています。ヒンドゥー教と仏教は4~5世紀頃にバリ島にもたらされたと言われていますが、それらを融合し独自のヒンドゥー教を作り上げました。そのため、バリ島とインドのヒンドゥー教では少し異なる面があるのが特徴です。
イスラム教
東南アジアの島しょ部でイスラム教を信仰している人が多いのは、アラビア商人の影響であると言われています。ムスリム商人によって13世紀以降にイスラム教が伝わり、少しずつ現地の人々の間で広がり、其の後インドネシアやフィリピンにも伝わっていきました。
キリスト教
アメリカやヨーロッパに多いと思われているキリスト教ですが、実は東南アジアでも信仰している国があります。フィリピンはスペインの植民地だった時代があることから、スペインと同じカトリックが多く信仰されています。他にも東ティモールは長年ポルトガルの支配下にあったことから、今でもキリスト教が信仰されています。
まとめ
東南アジア6ヵ国の宗教事情について詳しく解説してきました。それぞれの国によって様々な宗教が信仰されていますが、その多くはこれまでの歴史に大きな影響を受けています。宗教観によって考え方も異なる部分が大きいため、同じ東南アジアであっても気をつける必要があります。しかし、どういった宗教を信仰しているのかを知ることで、その国をより深く知ることができるでしょう。
日本企業デベロッパーの担当者からわかりやすく、フィリピンの基本情報から現地の情報まで解説。
「フィリピン不動産ガイド!」も無料プレゼント中!