海外不動産への投資で得た所得は、基本的に日本と現地で課税されてしまいます。そのため、不動産での利益は所得額によって大きく左右されるでしょう。負担を少しでも減らすためには、事前に税金の内容や知識を知っておくと便利です。ここでは海外不動産投資にかかってくる税金、東南アジアの国で不動産投資した場合の比較内容を紹介します。
海外不動産投資にかかる税金
海外不動産投資を行った場合、どうしても税金がかかってしまいます。どのような税金がかかるのかを説明していきましょう。
総所得に対する所得税と住民税
海外不動産投資は、日本国内での不動産投資と同じように税金がかかります。必要な税金は、総所得にかかってくる所得税、住民税、そして物件売却時にかかる譲渡所得税となります。総所得は給料と不動産で得た所得、その他の所得を全て合わせたものです。これに対して、所得税と住民税を支払います。不動産によって得た所得は不動産所得に分類されますが、会社員などは毎年2月中旬~3月中旬にかけて行う確定申告で給与所得と損益通算します。損益通算は、所得を合わせて計算して損失が出た場合は他の租特から控除できるものであり、不動産所得の他に譲渡所得や事業所得、山林所得が対象です。不動産所得は家賃収入などで得た収入から経費を引いて算出しますが、会社員のように給与所得がある場合、不動産所得で赤字となれば給与所得で天引きされた税金が還付される場合があります。海外不動産では収入に計上されるのは家賃、礼金、共益費であり、保証金や敷金は退去時に返還するため収入にはなりません。経費に該当するのは、不動産取得税や固定資産税、収入印紙税などの税金と各種保険料、修繕費、ローン金利、管理会社への業務委託料、減価売却費などです。経費の多くを占めるのは減価売却費であり、国内不動産投資と同じように節税効果が期待できるでしょう。
売却に対する譲渡所得税
海外不動産投資では、売却時に利益が得られると譲渡所得に対して税金がかかってきます。経済成長が急激な東南アジアでは、キャピタルゲイン目的で不動産投資を行うケースが多く、短期間でもキャピタルゲインが狙えるとされています。そのため売却での利益によって税金が発生しますが、譲渡所得税は確定申告後に支払う所得税、その後確定した住民税があるため、物件保有期間で税率も変更される仕組みです。5年以下の保有であれば所得税と住民税を合わせて39.63%、5年以上の保有なら20.315%となります。また、不動産譲渡所得は不動産所得と別の税金計算を行わなければならないため、給与所得と譲渡所得と損益通算することはできません。
東南アジア6ヵ国の状況は?
経済発展の著しい東南アジア6ヵ国は、海外不動産投資の状態がどのようになっているのでしょうか。
フィリピン
経済成長がまだまだ継続中のフィリピンでは、不動産相場が上昇傾向です。日本と比較すればまだ安くなっていて、高い利回りも期待できるでしょう。フィリピンでは、外国人が投資目的に土地を購入することができないため、投資先はコンドミニアムとなり、不動産投資には付加価値税として購入時に税率12%、固定資産税、所得税がかかってきます。
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シンガポール
政治的にも安定しているシンガポールは、国土が狭いため不動産市場そのものは拡大していません。そのため、持ち家を所有している人が多く、あまりインカムゲインを期待できない国でしょう。しかし、最近は中古住宅売買も盛んになってきたため、コンドミニアムを購入して売却する投資家もいます。
タイ
日系企業が多いタイでは、在留邦人もトップクラスとなっています。特にバンコクは日本人が集中している地域なので、不動産情報が集めやすいのが特徴です。日本人が運営している不動産会社もあるため、不動産投資情報が得やすいというメリットがあります。
マレーシア
親日国として人気の高いマレーシアは、日本人の海外不動産投資国としても注目されていて、ロングステイ目的で購入する人もいます。国内総生産も上昇していることから政治の安定が確認でき、投資リスクも少ないのが特徴です。特に首都クアラルンプールが人気で、キャピタルゲインを狙いやすいとされています。
カンボジア
カンボジアの首都プノンペンを中心に不動産投資が盛んになっています。周辺の国と比較しても土地の価格が安く、不動産所得にかかる費用が安いため、高い利回りが確保しやすいでしょう。他にも、アメリカドル決済が可能なので、不動産売却時や賃料などをアメリカドルで受け取ることができます。
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ベトナム
2015年から外国人でも不動産購入が可能になったベトナムでは、2018年から急激な経済成長を遂げているため、不動産投資の将来性が高いと言えるでしょう。特に首都ハノイ、ホーチミンは投資家にも人気の地域です。
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まとめ
海外不動産投資にかかる税金はいくつかあり、売却時にも譲渡所得税が必要となります。しかし経済成長が著しい東南アジア6ヵ国は、不動産投資家にも人気のエリアであり、国によって将来性の高さもあります。不動産投資の税金について知ってから、海外不動産投資を始めてみましょう。
日本企業デベロッパーの担当者からわかりやすく、フィリピンの基本情報から現地の情報まで解説。
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