不動産に限らず、投資を検討している方はそのトラブルについても事前に把握しておくことが重要。把握しておくことで事前に対処できる可能性もあるでしょう。リスクやトラブルはできる限り回避ことが投資において大切です。そこで今回は「物件選び」「支払い」「不動産リスク」の3つの観点からフィリピン不動産でよく起こるトラブルについてご紹介いたします。
物件選びに失敗した
まずご紹介するトラブルは、投資物件選びに失敗することです。ここでは物件選びに失敗してしまう3つの原因をお伝えしていきます。
情報を鵜呑みにして失敗した
フィリピンの経済成長率や人口増加率からみても、今後の不動産需要は中長期的に続くと見込まれています。そのためフィリピン不動産は投資をしたら必ず利益が出ると謳っている場合も少なくありません。しかしこのようなポジティブな情報だけを鵜呑みにしてしまうことは失敗のもと。同じフィリピン内でも物件の需要路と供給のバランスはあるので、与えられた情報だけを鵜呑みにせず、自分が確信できる情報を集めることが大切です。
現地を見ずに失敗した
海外不動産ということもあり、インターネットの情報と仲介業者の説明のみで物件を購入する方もいるでしょう。しかしこれはかなりリスキーで、自分の認識と違っていたというパターンが考えられます。
例として、高級住宅街にあるコンドミニアムを購入したはずなのに、実は高級住宅地の隣の地区にあるコンドミニアムだったといったようなことが挙げられます。自分の認識と違った物件を購入してしまうことで、トラブルに発展してしまいます。
キャピタルゲインを狙って失敗した
不動産投資は通常、物件を保有することで得られる家賃収入のようなインカムゲインがほとんどです。しかしフィリピン不動産はそれだけでなく、キャピタルゲインも狙えるという特徴があります。キャピタルゲインとは、物件を売買することで得られる利益です。フィリピン不動産はプレビルドという、建物が完成する前の段階で購入が可能。このタイミングで購入すればかなり安く取引できるので、建物が完成してから売るキャピタルゲインを狙う方も少なくありません。
しかし完成後に必ず値上がりするとは限らず、最悪の場合建物が完成しないリスクも考えられます。そのためキャピタルゲインだけを狙った投資は、インカムゲインに比べてリスクが高いといえるでしょう。
支払いが出来なくなり失敗した
2つ目のトラブルは、支払いができなくなり失敗することです。投資において支払いのトラブルは必ず避けたいですね。ここでは支払いができなくなり失敗してしまう、2つの可能性についてお伝えしていきます。
デベロッパーからの急な請求が届いた
デベロッパーと直接取引をせず、現地の業者を介した場合にこのようなトラブルが考えられます。業者との契約が成立した後にデベロッパー側で変更があった場合には、契約者である本人に請求が突然届くこともあります。契約時よりも高額な費用が追加で請求されてしまった場合に支払えない…となってしまうこともあるでしょう。
ローンが使えなくなった
事前にローンが使えると聞いていたので、物件の購入を決めたにもかかわらずローンが使えなくなったという例は少なくありません。「プレビルド物件の購入を決め、頭金を支払った後に残りをローンで支払うということだったが、実はローンが組めない物件ということが判明した」といったようなトラブルが実際に起きています。
そもそも融資承認が下りていない物件だったということや、フィリピン人業者がうまくローンアレンジできなかったということも考えられます。また業者が建物を購入してもらうために「ローンが組める」といい加減な情報を伝えていることもしばしばあります。そのため予定していたローンが使えなくなったというトラブルが発生するリスクは押さえておきましょう。
不動産リスクが把握しきれていなかった
3つ目のトラブルは、不動産リスクが把握しきれておらず失敗することです。海外不動産投資はリスクがつきものなので、必ず事前に把握しておく必要があります。ここでは不動産リスクが把握しきれていなかったことで失敗してしまう、3つの原因についてお伝えしていきます。
為替リスク
新興国は特に、外部要因による為替の変動が激しいです。経済が成長しているとはいえ、その状況が常に安定しているとは限りません。そのため為替変動により、大幅に資産価値が下がってしまうリスクがあるのです。
建築完成リスク
フィリピン不動産投資の特徴として、プレビルドで安価に購入し完成後にキャピタルゲインを狙えるということが挙げられます。プレビルドとは「物件が建設されていない状態」のことです。
しかしこのプレビルド物件は、建物が100%完成する保証がないというリスクを抱えています。日本では考えられないことですが、フィリピンにおいては
- 工事が途中でストップしてしまう
- そもそも工事が開始しない
ということも普通にあるので、リスクとして押さえておきましょう。
賃貸付けリスク
インカムゲインで家賃収入を狙っている場合に、賃貸付けできないリスクも考えられます。その原因としては以下のことが挙げられます。
- 賃貸レートが高くて、借り手がつかない
- 現地の不動産管理業者が、客付けの営業をしていない
- 家具や内装が借り手のニーズに合わない
インカムゲインが得られなければ、当然投資は赤字です。しかし高い利益を出そうと賃貸レートを高くしてしまっては、そもそも借り手がつかないこともあります。
そのため賃貸レートの相場を確認することや、高くても借りてもらえる付加価値がある物件に工夫する必要がありますね。また現地の不動産管理業者が賃貸客付けのノウハウに弱い、営業が得意でない場合は借り手がなかなか見つかりません。そしてコンドミニアムは一般的に家具付きで貸し出すので、借り手の希望やニーズに合わない物件は申し出が少ないでしょう。
まとめ
今回は事前にチェックしておくべき、フィリピン不動産投資でよく起こるトラブルについてご紹介いたしました。不動産投資にリスクがつきものというのはわかっていても、海外だからこそのトラブルもあります。事前に起こり得るトラブルやその原因を押さえておくことで、対処できることもあるでしょう。トラブルが起こって損してしまうことがないよう、今回ご紹介した内容を参考にしてみてください。