フィリピンの経済成長はなぜ好調?3つの背景とは

フィリピンはアジア諸国の中でも特に経済成長率が高い国だと言われています。東南アジアにはフィリピン以外にも経済成長率が順調に推移する国も多い中、なぜフィリピンの経済成長は好調だと言われているのでしょうか?今回は、フィリピンの経済成長が好調と言われている3つの背景についてご紹介していきます。どれくらい好調に推移しているのか、なぜ好調な経済成長率を出せるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

これまでのフィリピン経済の成長推移をチェックしてみよう

まずは、これまでのフィリピン経済がどれくらいの成長推移を示しているのか、チェックしていきましょう。過去5年間の経済成長率についても振り返っていきます。

アジアの中でもトップクラスの成長率

元々フィリピン経済は1960年から1990年までの30年間は低迷が続いていました。しかし、現在はアジアの中でもトップクラスの経済成長率を誇っています。例えば、世界中で経済が低迷した2012年以降から見ると、毎年6%以上経済成長率を記録し、1人あたりのGDPは3,000米ドル以上にも及んでいます。さらに国がインフラ整備にも力を入れており、前アキノ政権下では「官民パートナーシップによるインフラ整備」の計画を打ち出しています。これにより、2010年にはGDP比1.8%だったインフラ整備費は、2015年になると4%にまで上がったのです。政府は外貨規制の緩和から外資誘致にも積極的であり、フィリピンに進出する外国企業は多く見られます。特にマニラの東南に位置するマカティ市は、マニラの経済を担う中心地であり、“フィリピンのウォール街”とも呼ばれています。

過去5年の経済成長率を振り返ってみた

2015年から2019年の経済成長率を見てみると、以下のような推移となっています。

  • 2015年…6.1%
  • 2016年…6.9%
  • 2017年…6.7%
  • 2018年…6.2%
  • 2019年…5.9%

毎年約6%は経済成長を遂げているということ数字からも判断できます。他の東南アジア諸国の経済成長率(2019年)は以下の通りです。

  • ベトナム…7.01%
  • カンボジア…7.04%
  • ミャンマー…6.50%
  • ラオス…5.16%
  • インドネシア…5.02%
  • マレーシア…4.30%
  • ブルネイ…3.86%
  • 東ティモール…3.10%
  • タイ…2.35%
  • シンガポール…0.73%

ちなみに日本の経済成長率は2019年で0.7%となっており、2000年以降最も経済成長率が伸びた2010年でも4.2%に留まっています。

フィリピン経済が好調の理由

フィリピン経済が好調なのは3つの理由が大きく影響しているものと考えられます。その3つの理由とは、以下の通りです。

  • ペソ高の影響
  • 物価や財政面が安定している
  • 労働人口が増加している

これらの理由について1つずつ解説していきましょう。

ペソ高の影響

フィリピン・ペソは2020年12月1日現在で1ドル=48.12ペソと、ペソ高の状態を維持しています。ペソ高はベニグノ・アキノ3世が大統領を務めていた時代から続いています。元アキノ大統領はフィリピン政権内の汚職撲滅や財政の健全化を公約しており、就任後はしっかりと実行に移していたことから国民から高い支持を得ていました。そのため、世界の金融界からもアキノ政権への信頼感が高く、ペソ高につながったと言われています。ペソ高であれば輸入品が値下がりになるため、消費意欲も増し、個人消費の増加につながります。

物価や財政面が安定している

2つ目の理由に、フィリピンの物価や財政面の安定が挙げられます。実体経済だけが良いのではなく、実際に物価や財政面でも健全さが維持されているのです。例えばアメリカの格付会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによると、フィリピンの信用格付は投資に適格だと判断できる「Baa2」、格付見通しは「安定的」だと判断しています。ただし、2020年1~6月の財政収支はコロナ禍の影響で前年同期比よりも赤字幅が約13倍にまで拡大、対外債務でも2020年4~6月は前年同期比より約2.25倍にまで拡大しています。それでも安定的だと判断された理由として、フィリピン政府が財政強化に取り組んでいることと、コロナ化対策の債務増大にもきちんと対応できていることが評価されているようです。事実、対外支払能力自体は衰えておらず、2020年6月末の総外貨準備高は約933億ドルと過去最高水準を上げており、ある程度安定している状態にあると言えます。

労働人口が増加している

日本は現在少子高齢化社会であり、このまま少子高齢が続くと2050年には全人口が8000万人にまで落ち込み、人口の約4割が65歳以上になると言われています。そんな中、フィリピンでは2014年に1億人を超え、どんどん若者の人口が増加している国です。平均年齢は約23歳と若く、労働人口である若者が増加していることから、今後も経済成長は続いていく可能性が高いと考えられます。

まとめ

今回はフィリピンの経済成長がなぜ好調なのか、3つの理由についてご紹介してきました。フィリピンの経済成長を支えているのはペソ高の影響や物価・財政面の安定、労働人口の増加の3点が大きく影響しているためだと考えられます。現在はコロナ禍の影響もあり、2020年の経済成長率は6%以下に低下する可能性も考えられますが、財政は比較的安定しており労働人口の増加も続いているため、今後もフィリピン経済は成長していくでしょう。

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